人間ドック・がん検診
胃の検査
胃がんの頻度
胃がんは現在でも我が国のがん死亡の上位を占めています。
高齢化もあり、胃がん罹患者数は増えていますが、死亡者数はやや減少傾向にあります。
ただし、50歳未満では罹患者数および死亡者数ともに減少傾向にあります。
胃がんの原因
世界保健機構WHOの報告では、遺伝的要因で発生するものは1-3%と低く、多くは外的要因であり、全胃がんの78%(噴門部を除くと89%)にピロリ菌の慢性感染が関係しているとされています。
ピロリ菌以外にもタバコ、高塩分食などさまざまな要因が複合的に関与し、がんを発症すると考えられています。
胃がん検診の指針
厚生労働省の指針(「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」)が平成28年2月4日一部改正され、胃がん検診については、50歳以上の者を対象とし、問診に加え、胃部エックス線検査又は胃内視鏡検査のいずれかを2年に1回行うこととなりました。ただし、胃部エックス線検査については、当分の間、40歳以上の者も対象とし、また年1回実施しても差し支えないとされています。
胃がん検診の精度と不利益
胃がん検診を定期的に受けていただくことにより、症状が出てからがんが見つかるよりも早い段階で胃がんを見つけることができますが、すべてのがんが検診により発見できるわけではありません。
胃部エックス線検診の感度(感度とは、がんのある人に、検査で異常を指摘できる確率)はおよそ80~90%で、胃内視鏡検診の感度はおよそ95%と考えられています。
また、非常にまれではありますが、検診により偶発症を起こすこともあります。そのため、検診当日の体調やお持ちのご病気によっては、検診を見送る方が望ましい場合もあります。当センターではこれらの偶発症が起こらないよう細心の注意を払っていますが、すべての偶発症が予期・予防できるわけではありません。
胃部エックス線検査の主な流れ
エックス線検診について
主として市町村住民及び職域団体を対象に、検診車(やちよ号)5台による巡回検診と施設内検診でX線撮影検査を行っています。
撮影を行う放射線技師のほとんどが、日本消化器がん検診学会の胃がん検診専門技師です。
撮影されたX線像の診断は、日本消化器がん検診学会の認定医2名が行い(ダブルチェック)、「がん」の見落としを防ぎ、診断精度の向上に努めています。
なお、当センターは日本消化器がん検診学会の認定指導施設となっております。