現在地
  1. TOP
  2. 病気予防への取り組み
  3. 循環器病・生活習慣病予防への取り組み
  4. 研究活動
  5. 主な研究活動

循環器病予防部門 循環器病・生活習慣病予防への取り組み

効果的な保健指導の技法の開発

3-1. 大阪府内市町村と協働した生活習慣病対策の推進方策に関する研究

3-1-1. 行動変容推進事業

大阪府民の死亡原因の第2位は虚血性疾患、第4位は脳血管疾患であり、傷病別入院受療率の第1位は脳卒中で、がんの約1.5倍である。また、介護が必要となる原因の1位は脳卒中である。このため大阪府において循環器病対策が必須と考えられる。

この対策を効果的に行うためには、市町村ごとにその特徴を明らかにする必要がある。そこで、レセプトデータを分析することにより医療費を高めている要因を明らかにし、特定健診特定保健指導のデータを分析することで健康課題を明らかにする。

これまでいくつかの市町で医療費分析、特定健診特定保健指導のデータ分析を行い、予防対策の提案を行ってきたが、平成24年度から大阪府の行動変容推進事業として、生活習慣病予防の推進、特定健診の受診率向上、医療費適正化を行うことになった。

大阪がん循環器病予防センターで医療費分析、特定健診特定保健指導データの分析を行い、問題点を明らかにするとともに市町村に行動変容プログラムの提案を行うことを、これまでにいくつかの市で試行的に行ってきた。

M市では医療費分析の結果、脳卒中の入院医療費が比較的多いことが判明した。市が行ったアンケートとその後の聞き取り調査の結果、健診未受診、高血圧や糖尿病のコントロール不良、偏った食生活、健康に無関心、脳卒中や心筋梗塞の再発、多量飲酒、ヘビースモーカーという背景が判明した。N市では医療費分析の結果、腎不全の医療費が高いことが判明した。透析患者のアンケートから、健診等で高血圧や糖尿病を指摘されながらも放置、などの例が多いこと、高血圧を指摘されてから平均19.8年、血糖値異常を指摘されてから平均13.4年で透析にいたっていることが判明した。

これらの判明した事実から、優先的に取り組む課題が明らかになり、現在は種々の対策が実行されている。今後、その結果を評価していく予定である。

3-1-2. 循環器疾患発症予測ツールの開発

これまで大阪府立健康科学センターで行ってきた大阪府の地域職域の健診成績およびそこで判明した循環器疾患の発症のデータを元に、特定健診のデータを入力することで大阪府民が循環器疾患を発症する確率を予測するプログラムを開発した。

これまで行ってきた大阪府、秋田県、茨城県、高知県の計4地区における1995~2000年の40~69歳の住民健診受診者のうち、脳卒中・心疾患の既往者を除く8,886人(男性3,241人,女性5,645人)を対象として、健診項目とその後の循環器疾患発症との関連を解析した。このデータをもとに、統計学的手法を用いて、大阪以外の地区の値を大阪府民の値に調整した上で、9項目の予測因子(収縮期血圧、降圧薬内服、非HDL-コレステロール、HDL-コレステロール、中性脂肪、Body mass index(BMI)、糖尿病、喫煙、飲酒)を用いて、脳卒中と虚血性心疾患の発症予測モデルを決定した。

「大阪府民版循環器疾患・発症予測ツール」ページへ


病気予防への取り組み