循環器病予防部門 循環器病・生活習慣病予防への取り組み
検査手法の開発と精度管理
2-1. 動脈硬化の測定技法の開発
動脈硬化について、比較的太い動脈である頸動脈の硬化と細い動脈である眼底の網膜細動脈の硬化の進行度が個人により異なることを明らかにした(図1)。さらに、頸動脈硬化にはLDLコレステロールの影響が強いのに対し、網膜細動脈硬化には、高血圧が大きく影響していることを明らかにした(表1)。すなわち、動脈硬化を多角的に評価し、各々の進行度に応じての各種リスクコントロールの必要性が示された。
また、動脈硬化度の評価法として、健診の場で実施できる眼底検査法と頸動脈超音波検査法を開発し、健診機関や医療機関での普及を図るための一般指導書を刊行した。
- 図1. 頸動脈硬化、網膜細動脈硬化を有する者の割合(40~69歳)
- 表1. 頸動脈硬化、網膜細動脈硬化の関連要因 -多重ロジスティックモデルによる多変量解析-
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頸動脈硬化 OR 95%CI p-value 年齢、歳 1.1 1.04-1.09 < 0.001 性(男:0、女:1) 0.5 0.37-0.75 < 0.001 高血圧(無し:0、有り:1) 1.0 0.65-1.49 0.94 高LDLコレステロール血症(無し:0、有り:1) 1.7 1.20-2.38 0.002 網膜細動脈硬化 OR 95%CI p-value 年齢、歳 1.1 1.03-1.10 < 0.001 性(男:0、女:1) 0.7 0.46-1.11 0.13 高血圧(無し:0、有り:1) 5.3 3.39-8.26 < 0.001 高LDLコレステロール血症(無し:0、有り:1) 1.3 0.82-1.92 0.30
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