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循環器病予防部門 CIRCS研究報告

<報告>地域住民における血清アルブミン値と病型別脳卒中発症リスクとの関連(CIRCS)

 血清アルブミン低値は炎症また低栄養状態の指標となりますが、一般住民集団において脳卒中発症リスクに及ぼす影響を系統的に検討した疫学研究は乏しいです。本研究では、長期間疫学研究を実施している地域集団を対象として、血清アルブミン値と病型別脳卒中発症リスクとの関連を前向きに分析しました。

 CIRCSコホートの4地域(秋田、茨城、大阪、高知)の40-74歳住民のうち、ベースライン時(秋田・高知:1985-90年、茨城:1985-91年、大阪:1985-94年)の循環器健診受診者における循環器疾患既往者を除いた13,040人(男性5,071人、女性7,969人)を対象としました。統計解析はCox比例ハザードモデルを用いて、血清アルブミン値の第4四分位群(最高値群)を基準とし、各群における病型別脳卒中発症リスクのハザート比を算出しました。調整変数は年齢、地域、Body Mass Index、喫煙習慣、アルコール摂取量、収縮期血圧値、血清総コレステロール値、中性脂肪値、GOT(グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ)、GPT(グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ)、心房細動の有無、糖尿病の有無、降圧薬服用の有無、閉経の有無としました。

 中央値24年間の追跡期間中、全脳卒中の初発発症者は1,081人、うち脳内出血は229人、くも膜下出血は116人、脳梗塞は719人(ラクナ梗塞325人)を認めました。血清アルブミン低値と全脳卒中、脳内出血、脳梗塞、ラクナ梗塞発症リスクとの関連がみられました。

 この研究により、初めて血清アルブミン低値と脳内出血発症リスクとの関連が認められました。

 この研究結果は、日本循環器学会の学会誌Circulation Journalに公表されました。





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