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循環器病予防部門 CIRCS研究報告

<報告>地域住民における血清尿酸値と病型別脳卒中発症リスクとの関連(CIRCS)

 血清尿酸の高値と脳卒中発症リスクとの関連はこれまで欧米で報告されていますが、日本人でのエビデンスは死亡リスクに関するものが多く、脳卒中発症リスクに関する検討は少ないです。そこで本研究は、日本人の地域住民を対象として、血清尿酸値と病型別脳卒中発症リスクとの関連を前向きに分析しました。

 CIRCSコホートの4地域(秋田、茨城、大阪、高知)の40-79歳住民のうち、ベースライン時(秋田・高知:1985-90年、茨城:1985-91年、大阪:1985-94年)の循環器健診受診者における循環器疾患既往者を除いた13,420人(男5,235人、女8,185人)を対象としました。血清尿酸値と病型別脳卒中発症リスクとの関連を男女別に、降圧薬服用の有無別に分析しました。統計解析ではCox比例ハザードモデルを用いて、血清尿酸値の第1五分位群を基準として、各分位群における病型別脳卒中発症リスクのハザート比を算出しました。調整変数は年齢、地域、Body Mass Index、喫煙習慣、アルコール摂取量、収縮期血圧値、心房細動の有無、血清総コレステロール値、中性脂肪値、推定糸球体濾過量、糖尿病の有無、閉経の有無としました。

 中央値23.1年間の追跡期間中、1,018人の脳卒中初発発症者を認めました。女性において、血清尿酸の高値と脳卒中、特に脳梗塞発症リスクとに有意な関連がみられました。男性においては有意な関連がみられませんでした。また、この関連は女性の降圧薬非服用者において明らかでした。

 この研究により、女性において血清尿酸の高値と脳卒中発症リスクとの関連が認められました。

 この研究結果は、日本高血圧学会の学会誌Hypertension Researchに公表されました。



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